大切な方を偲ぶお仏壇。ご供養のために飾るものは何が必要か、迷ったことはありませんか?宗派などで違いもありますが一番基本的なことは同じです。仏壇に揃える仏具の基礎をご紹介いたします。
仏壇に飾るものの基本的な考え方
仏様に供える基本は、“お香・灯り・お花”の3つ。それぞれには意味があります。
仏壇に飾るもの1〜お香〜
お香は場を清めるというだけでなく、一つの香りがすべての人に行き渡ることから、分け隔てのない慈悲の心に触れるという意味があります。
また、インドの仏教教典には「死語の人間が食べるのは“におい”だけである」と書かれ、生前善行を重ねた者はよい香りを食べ、悪行を積み重ねた者は悪臭しか食べられないのだとか。
そのため、善行を重ねたものの印としてよい香りのものを焚いたようです。今も昔も大切な人への思いは変わらないのでしょう。
仏壇に飾るもの2〜灯り〜
灯明(とうみょう)とも言われます。灯りが表すのは、人間の迷いや無知・無明という闇を照らす仏様の智慧(ちえ)や慈悲。どのような闇も光が射し込めば必ず明るくなり、形が見えるようになるということを表します。
仏壇に飾るもの3〜お花〜
供花(クゲ)とも言われます。お供えするものですが、仏様の方ではなく供える人に向かって飾ります。綺麗に飾られた仏様を見ることで、人の心が浄められると言われます。
亡き人を悼むために花を捧げるという行為が、古今東西を問わず行われているのは、命ある花に亡き人の面影を見るからかもしれません。
お供えする花は、トゲのあるもの・においの強いもの・つる性のものを避ければ、故人の好きだった花でもよいでしょう。?
飾るものに必要な仏具は「三具足」
“お香・灯り・お花”を飾る”三具足”が仏壇に飾るものの基本です。
香炉(こうろ)
いわゆる広口の“お線香立て”は、仏壇の最前列に飾るもののため、一般に"前香炉”と言われます。三本足の香炉は一本足を手前にして置きます。
香りは仏様にとって何よりの供養。三具足の中では中央にしつらえます。
燭台(しょくだい)
火立てともよばれます。香炉の横に左右一対で飾りますが、一つだけの場合は向かって右に置きます。
灯りは闇を照らし、亡き人が道に迷わないためのものでもあります。炎のゆらぎが大切な人を思い出させてくれるでしょう。
花立
花瓶(かびん)とも言います。仏壇で花をお供えするためのもの。
本来は一対の燭台の外側に左右一対で飾るものですが、一つだけの場合は向かって左に置きます。
それぞれ一つずつの三具足の場合は、向かって左から”花立て・香炉・燭台”の順になります。
お仏壇に飾るものは故人が好きだったものを
香り・灯り・花とも仏様の供養のものだけでなく。大事な人を亡くした人をケアするもののように思えてなりません。故人が好きだった香りや花などをお供えし、ゆっくり語らうのがよいでしょう。
未来創想の仏壇・仏具は、昔から伝わる飾るものの基本を押さえながら、現代の空間に馴染みやすいようにアレンジされたもの。大切な人といつも共にありたい想いを形にしました。