ご遺骨を分骨してご自宅など身近に置き、故人を偲ぶ手元供養。近年ますます注目を集めており、手元供養についてのお問い合わせも数多くいただくようになりました。
そうした中でも、とりわけよくいただくのが分骨についてのご質問です。分骨には、人によっても地域によっても様々な説や言い伝えがあり、手元供養をお考えのご遺族の中には、思い悩んでしまわれる方も少なくありません。
ここでは、そんな分骨についてのご質問にお答えしていきたいと思います。
分骨に関する疑問1.「分骨すると成仏できない?」
分骨についてもっとも多いのが、ご親戚やご友人から「“分骨すると成仏できない”と言われたけれど大丈夫でしょうか?」というご質問です。同様に“魂が分裂してしまう”、“あの世で五体がそろわない”などとも言われますが、いずれにしてもこのようなことを聞かれたご遺族のご心配は察して余りあるものでしょう。
結論から言いますと、これらはすべて根拠のない迷信であり、心配される必要は全くありません。
分骨は、昔から様々な宗教において、尊い行為として広く行われてきたことです。例えば仏教では、お釈迦様のご遺骨は「仏舎利」として分骨され、世界各地の寺院で大切にお祀りされています。またキリスト教においても、「聖遺骨」と呼ばれる諸聖人の遺骨の一部が、様々な場所で人々の敬意を集めています。
こうしたことからもお判りいただけるように、手元供養のために分骨することが、故人の魂に災いをもたらすなどということは決してないのです。もちろん法律においても何ら問題ありませんので、どうぞご安心ください。
分骨に関する疑問2.「分骨のタイミングは?」
分骨のタイミングとしては、ご家族の場合、火葬の後ご自宅へお戻りになられたときがもっとも多いようです。ご一緒に戻られた故人の骨壷から、手元供養のためのご遺骨を取り分けます。また、火葬のお骨上げの時点で、分骨してとっておかれる方もいらっしゃいます。
すでにお墓などに納骨されてしまっているご遺骨の場合は、墓地管理者に了解を得た上で、お墓の中の骨壷から分骨されるということになります。
分骨に関する疑問3.「分骨証明書は必要?」
分骨証明書は、分骨したご遺骨を別のお墓に納める際に必要な書類です。したがって、手元供養のために分骨した場合は、基本的には分骨証明書は必要ありません。
しかしながら、後々事情が変わって納骨するという場合も考えられますので、そのときのために、可能であるならば分骨証明書を用意しておかれることをおすすめします。
分骨に関する疑問4.「分骨した後の残りの遺骨は?」
分骨して残された分のご遺骨については、あらためて行く先を決めておかれる必要があります。
お墓がある場合は、通常通りそちらへ納骨されるのが一般的です。またお墓がない場合にも、本山納骨、合祀永代供養、散骨などの自然葬といった様々な選択肢がありますので、ご家族で充分にご相談の上、故人にふさわしい行き先を選んであげていただくとよいでしょう。
また、分骨して手元供養にしたご遺骨も、「落ち着いたら他のお骨と一緒にお墓に納める」「自分の死後に自分のお骨とともに散骨する」など、あらかじめその行く末を決めておかれると安心です。
おわりに
分骨や手元供養についての考え方は人それぞれ。ご家族の中でも、意見が異なることもあるでしょう。しかし、故人を想う心はどなたも同じです。故人のためにどのようなかたちでお弔いしていくのか、まずはご遺族でよく話し合われることが肝心です。
ご遺族の全員が悲しみから立ち直り、それぞれの人生をしっかりと歩いていかれることで、故人もお喜びになると思います。
分骨、手元供養に関するさらなるご質問は、ぜひ私たちへお問い合わせください。ご遺族皆様の心に寄り添い、様々なお手伝いをさせていただくこと、それが未来創想の使命です。