作者不詳のまま、欧米で語り継がれている一編の短い詩があります。
アイルランド共和軍のテロで亡くなった24歳の青年が「ぼくが死んだときに開封してください」と 両親に託した封筒に残されていたという詩です。
米国では、2001年9月11日の同時多発テロで犠牲になった父親をしのんで11歳の少女が朗読し、映画監督ハワード・ホークスの葬儀や、女優マリリン・モンローの25回忌でも朗読されていたという詩です。
その後ロンドンに渡り、BBC放送でも取り上げられヨーロッパでも多くの人に知られました。
わが国では、1995年に「あとに残された人へ 1000の風」(三五館)として出版され、最近では、作家で作詞・作曲家の新井満さんが曲をつけて、歌っています。 朗読バージョンもあります。ネット検索してみると、多くの方が色々に訳詞されています。
また、朝日新聞の天声人語(2003年8月28日)で紹介されて、すでにご存知の方が多いとことでしょう。 愛する人を亡くしたとき、大切なあの人の想い出を、吹き渡る風の中にも、街角にも感じることでしょう。
さあ、家に閉じこもってばかりいないで、お化粧して、ちょっぴりのお洒落をして街に繰り出して見ませんか? どこかで貴方を見守っていてくれていますよ。
原文:
A THOUSAND WINDS Do not stand at my grave and weep,
I am not there, I do not sleep.
I am a thousand winds that blow, I am the diamond glints on snow,
I am the sunlight on ripened grain,I am the gentle autumn's rain.
When you awake in the morning hush, I am the swift uplifting rush of quiet in circled flight.
I am the soft star that shines at night.
Do not stand at my grave and cry.
I am not there, I did not die.
(Author Unknown)