ご遺骨を自然に還す散骨。
「お墓に入る」という伝統的な葬送方法とは異なるため、散骨をされる方、散骨を希望される方の胸にはさまざま想いや感情がつまっています。
どのような方がどのような想いで散骨をされているのか。瀬戸内海を中心に海洋散骨をサポートされているブルーマイルゥーの中井良紀様に、お話をお伺いさせていただきました。
世代や宗教を問わない散骨
-散骨をされるのはどのような方が多いですか?-
散骨なさる方のほとんどが、生前から遺言などで希望の意思を伝えておられます。年齢層としては、やはりご高齢の方(60代〜80代)が多いです。しかし若い方もいらっしゃいますので、広い年齢層から支持されていると感じています。また、男女の性別は特にどちらが多いというのは無いように感じます。
宗教に関しては、やはり圧倒的に仏教が多いですが、神道やキリスト教の方も時々いらっしゃいますので、特に宗教的なものは無いようです。
その他には、生前の職業や趣味の関係で散骨をなさる方もおられます。例えば生前の職業が船員などの船舶関係であったり、漁師であったりその他海に関する職業をなさっていた方、またマリンスポーツや釣りなど海に関係する趣味を持たれていた方なども多いです。
散骨を希望される方の想いや理由
-散骨をされる方は、どのような想いや理由から散骨されているのでしょうか?-
故人様が散骨を希望なさる理由は、お墓や宗教に対する意識や価値観の変化、そして家族・人間関係の変化などその背景には様々な社会の変化によるものが複雑に絡み合っています。そして散骨なさる方のほとんどが生前よりご希望なさっています。
希望理由も様々ですが、主に以下のようなものがあります。
「お墓のように継承者が要らない」
最も多い理由で、その理由はさらに細かく分かれます。例えば
- 「子供がいないから」
- 「独身で一人だから」
- 「離婚したが実家にも戻れない」
- 「法的な夫婦でない」
- 「子供がいるけど女の子ばかりだから」
- 「お墓の維持管理で負担をかけたくない」
というもので、お墓を作っても将来的に維持してゆくのが難しい方々です。
「故郷の海に帰りたい」
私どもへの依頼の多くが、県外・海外などの遠方の方々なのです。故郷を遠く離れて生活なさってて、「死後、故郷にお墓は作れないが、故郷の海に還りたい。」という方がとても多いのです。その場合、ご希望の海域も生前よりある程度決めておられることが多いです。
「高額なお墓は必要ない」
お墓の購入に比べて費用面で負担の少ない散骨を選ばれる方もいらっしゃいます。
「海が好きだから」
生前の職業・趣味など、海が大好きな方がご希望されます。
「思い出の場所だから」
希望海域・場所が、旅行などで訪れた思い出の場所、人生の上で非常に思い出深い場所だったという方。などです。
徐々に浸透しつつある散骨という風潮
-ブルーマイルゥー様では年間何名程度の散骨をサポートされているのでしょうか?-
ブルーマイルゥーでは年間に約40件ほどの海洋散骨をサポートさせていただいております。
関東など大都市圏の散骨業者に比べると件数は多くはありません。少ない方だと思います。私どもがメインエリアとしている瀬戸内地域はまだまだお墓の文化が根強く、比較的保守的な地域ということもあると思います。
ここ数年の件数は横ばい状態ですが、生前からのご相談がとても多いので、これからも海洋散骨は増えてゆくのではないかと思います。
散骨をサポートされる方の想いとは
-ブルーマイルゥー様はどうして散骨のサポートをされているのでしょうか?-
私自身が海洋散骨を望んでおり、「私と同じように海洋散骨を希望なさっている方たちのサポートさせていただきたい」ということからこの仕事を始めました。おかげさまで今年(2018年)で11年目を迎えています。自分もいつかはこの海に旅立って行くと常に思っていますから「自分ならこうしてほしい」という思いでいつもサポートさせていただいております。
また、ご依頼者様は海洋散骨が初めての方が多いので、できる限り詳しく丁寧な説明と、当日までの連絡は密にし、信頼関係を築いてゆけるように心がけています。故人様の海への旅立ちの日が、ご乗船いただいた皆様の心の中にいつまでも記憶として残るよう、そしていつも故人様を思い出していただけるよう、私どももその瞬間に全力を尽くしています。
きちんとルールとマナーを守った海洋散骨をサポートし続けてゆくこと、そして将来にわたって海洋散骨が出来る環境を守ってゆくことが私どもの責務と考えています。
散骨を検討されている方に向けて…
-散骨をご検討されている方に、なにかお伝えしたいことなどありますでしょうか?-
初めてのことで、不安な点やわからないこともあることでしょう。どんな些細なことでも構いませんのでご相談いただければと思います。もしかすると、ご家族の方やご親族の方で、散骨に反対していたり良く思っていなかったりする場合もあるかもしれません。
その場合も、まずはご自身が散骨というものを良くご理解いただいたうえで、周りの方々にお伝えいただくことが大切ですので、アドバイス等させていただきます。私どもにいつでもご相談ください。
また、「散骨してしまうと、お墓のように手を合わせる場所がない。」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも心配は要りません。たとえ世界中どこにいても、海の見える場所ならどこでも手を合わすことが出来るのです。海は世界中どこへ行ってもつながっているんですから。
今を生きる人の未来が明るくなるよう
この記事は、実際に海洋散骨をサポートされているブルーマイルゥーの中井良紀様にお話をお伺いしました。散骨業者をお探しの方は、ブルーマイルゥー様にて相談をお受けしています。お悩みの方は下記ホームページよりご連絡ください。
>>ブルーマイルゥー様のホームページはこちら 未来創想では、ご遺骨の一部を手元に残しておける小さな骨壷や遺骨ペンダントなどの手元供養品を取り扱っています。
ご遺族の悲しみに寄り添い、ご遺族の未来への力になりたい。それが未来創想の願いです。