散骨に関する記事
遺骨の処分はどうすればいい?正しい方法や供養の仕方などを紹介
遺骨は一般的には火葬後、お墓に納骨するケースが多いですが、他にもさまざまな処分の仕方があります。自宅に保管していた方や、一旦は遺骨をお墓に入れていた方も処分しなければいけなくなることもあります。 本記事では、遺骨を処分することになった場合の正しい方法や手元供養などについても詳しく紹介します。 遺骨を処分しなければいけない理由 遺骨はお墓に納骨するもの、という認識の方も少なくないですが、さまざまな理由で遺骨を処分しなければいけなくなる場合があります。遺骨を処分する理由には、次のようなものがあります。 墓じまいする 墓じまいは、お墓を撤去したり処分したりすることをいいます。もともと先祖代々のお墓があっても少子化や核家族化が進み、継承者がいない、または継承者がいても経済的な負担が大きく維持できないなどの場合に墓じまいをします。 墓じまいは、お墓に納められている遺骨を取り出してから墓石を撤去して墓じまいするという流れです。そのため、取り出した遺骨をどうするか決めておかなければいけません。 先祖の複数の遺骨が安置されている場合は、それらすべての処分方法について前もって決めておく必要があるでしょう。 お墓が買えない お墓がない場合も、新しくお墓を購入しないのであれば遺骨の処分を検討しなければいけません。故人の生前の考え方や遺族の意思などでお墓を持たないと決めている場合や、経済的な理由でお墓を買えないケースなど、お墓がない方は少なくありません。 遺骨を納めるお墓がない場合、遺骨のすべてを処分するか遺骨の一部は自宅や手元に残して残りを処分するかを決めてから、最終的な処分の仕方を検討するとよいでしょう。 お寺に遺骨を断られた 菩提寺があっても納骨を断られてしまった場合、遺骨の処分を考えなければいけません。たとえば、故人の葬儀やお通夜を菩提寺に相談せずに、別の場所や従来とは異なる宗派や方法で行うと、菩提寺から供養をお寺が行っていないために納骨できないといわれる可能性があります。 菩提寺に納骨を断られた場合、もう一度菩提寺のやり方や宗派で葬儀を行い戒名をもらってから納骨するか、お寺に納骨するのは諦めて別の処分法を考える必要があるでしょう。 納骨堂に入らない 遺骨を納骨堂に納めている場合は、収容できるスペースが限られているため遺骨が入り切らなくなることがあります。また、お墓があっても先祖代々の遺骨を納骨室に納めてきたお墓では、遺骨が入りきらなくなってしまうケースがあります。 火葬後、骨壷に遺骨を入れた状態のまま納骨堂に納めている場合は、スペースがなくなったときは、古い遺骨から処分する必要があるでしょう。一般的に、納骨堂やお墓に遺骨が入りきらない場合は、粉骨して小さな骨壺に納め直す、散骨する、自然に還すなどの処分を検討します。 また、永代供養で個別に納めている遺骨は、一定の期間が経ってから複数人の遺骨を一緒に納める合祀墓へ埋葬されるのが一般的です。 個人との縁が薄い 遠い親戚が亡くなった場合や、親族ではあるけれど故人の身近な人で遺骨を引き取る人がほかにいなかった場合などは、縁が薄い親族でも遺体や遺骨を引き取らなければいけなくなることがあります。 身寄りがなく一人暮らしをしていた人が亡くなると、管轄の役所で戸籍を調べて親族を探して引き取りの依頼をするのが一般的です。そのため、会ったことのない親戚や遠縁でほとんど面識がない親族などの葬儀や火葬、納骨を引き受けなければいけない場合もあるでしょう。 親族とはいえ縁が薄い人の遺骨を、家族のお墓に一緒に入れるのは躊躇う人も多く、別の方法で遺骨の処分を検討する方もいます。 遺骨は捨てられないため注意が必要 遺骨の処分に困っても、遺骨は勝手には捨てられません。また、遺骨を適切な場所以外に埋めるのも違法です。遺骨の処分や埋葬は、法律で定められた方法や場所を守る必要があります。詳しく見ていきましょう。 遺骨に関する法律 遺骨や埋葬に関しては、法律で適切な処分法や埋葬法などが決められています。 墓地、埋葬等に関する法律 第4条 墓地、埋葬等に関する法律の第4条では、「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。火葬は、火葬場以外の施設でこれを行つてはならない。」と定められています。 つまり、墓地以外に遺骨を埋めたり、火葬場以外の施設で遺体を焼いたりするのは法律違反となります。 たとえば、遺骨を自宅で保管していて、お墓ではなく自宅の庭などに遺骨を埋葬することはできません。ただし、海に散骨する場合は、土の中に遺骨を埋めるのではなく海上にまくため、埋葬にはならず墓地、埋葬等に関する法律の第4条には該当しないことになります。...
遺骨の処分はどうすればいい?正しい方法や供養の仕方などを紹介
遺骨は一般的には火葬後、お墓に納骨するケースが多いですが、他にもさまざまな処分の仕方があります。自宅に保管していた方や、一旦は遺骨をお墓に入れていた方も処分しなければいけなくなることもあります。 本記事では、遺骨を処分することになった場合の正しい方法や手元供養などについても詳しく紹介します。 遺骨を処分しなければいけない理由 遺骨はお墓に納骨するもの、という認識の方も少なくないですが、さまざまな理由で遺骨を処分しなければいけなくなる場合があります。遺骨を処分する理由には、次のようなものがあります。 墓じまいする 墓じまいは、お墓を撤去したり処分したりすることをいいます。もともと先祖代々のお墓があっても少子化や核家族化が進み、継承者がいない、または継承者がいても経済的な負担が大きく維持できないなどの場合に墓じまいをします。 墓じまいは、お墓に納められている遺骨を取り出してから墓石を撤去して墓じまいするという流れです。そのため、取り出した遺骨をどうするか決めておかなければいけません。 先祖の複数の遺骨が安置されている場合は、それらすべての処分方法について前もって決めておく必要があるでしょう。 お墓が買えない お墓がない場合も、新しくお墓を購入しないのであれば遺骨の処分を検討しなければいけません。故人の生前の考え方や遺族の意思などでお墓を持たないと決めている場合や、経済的な理由でお墓を買えないケースなど、お墓がない方は少なくありません。 遺骨を納めるお墓がない場合、遺骨のすべてを処分するか遺骨の一部は自宅や手元に残して残りを処分するかを決めてから、最終的な処分の仕方を検討するとよいでしょう。 お寺に遺骨を断られた 菩提寺があっても納骨を断られてしまった場合、遺骨の処分を考えなければいけません。たとえば、故人の葬儀やお通夜を菩提寺に相談せずに、別の場所や従来とは異なる宗派や方法で行うと、菩提寺から供養をお寺が行っていないために納骨できないといわれる可能性があります。 菩提寺に納骨を断られた場合、もう一度菩提寺のやり方や宗派で葬儀を行い戒名をもらってから納骨するか、お寺に納骨するのは諦めて別の処分法を考える必要があるでしょう。 納骨堂に入らない 遺骨を納骨堂に納めている場合は、収容できるスペースが限られているため遺骨が入り切らなくなることがあります。また、お墓があっても先祖代々の遺骨を納骨室に納めてきたお墓では、遺骨が入りきらなくなってしまうケースがあります。 火葬後、骨壷に遺骨を入れた状態のまま納骨堂に納めている場合は、スペースがなくなったときは、古い遺骨から処分する必要があるでしょう。一般的に、納骨堂やお墓に遺骨が入りきらない場合は、粉骨して小さな骨壺に納め直す、散骨する、自然に還すなどの処分を検討します。 また、永代供養で個別に納めている遺骨は、一定の期間が経ってから複数人の遺骨を一緒に納める合祀墓へ埋葬されるのが一般的です。 個人との縁が薄い 遠い親戚が亡くなった場合や、親族ではあるけれど故人の身近な人で遺骨を引き取る人がほかにいなかった場合などは、縁が薄い親族でも遺体や遺骨を引き取らなければいけなくなることがあります。 身寄りがなく一人暮らしをしていた人が亡くなると、管轄の役所で戸籍を調べて親族を探して引き取りの依頼をするのが一般的です。そのため、会ったことのない親戚や遠縁でほとんど面識がない親族などの葬儀や火葬、納骨を引き受けなければいけない場合もあるでしょう。 親族とはいえ縁が薄い人の遺骨を、家族のお墓に一緒に入れるのは躊躇う人も多く、別の方法で遺骨の処分を検討する方もいます。 遺骨は捨てられないため注意が必要 遺骨の処分に困っても、遺骨は勝手には捨てられません。また、遺骨を適切な場所以外に埋めるのも違法です。遺骨の処分や埋葬は、法律で定められた方法や場所を守る必要があります。詳しく見ていきましょう。 遺骨に関する法律 遺骨や埋葬に関しては、法律で適切な処分法や埋葬法などが決められています。 墓地、埋葬等に関する法律 第4条 墓地、埋葬等に関する法律の第4条では、「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。火葬は、火葬場以外の施設でこれを行つてはならない。」と定められています。 つまり、墓地以外に遺骨を埋めたり、火葬場以外の施設で遺体を焼いたりするのは法律違反となります。 たとえば、遺骨を自宅で保管していて、お墓ではなく自宅の庭などに遺骨を埋葬することはできません。ただし、海に散骨する場合は、土の中に遺骨を埋めるのではなく海上にまくため、埋葬にはならず墓地、埋葬等に関する法律の第4条には該当しないことになります。...
【散骨とは?】海洋散骨のブルーマイルゥー様にお伺いしました
新しい供養のかたちとして、選択肢のひとつとなりつつある「散骨」。価値観や生活環境の移り変わりにともない、注目を集めることも増えてきた散骨ですが、その詳細まで把握できている方はけっして多くないことと思います。 今回の記事では、瀬戸内海の海洋散骨を中心にサポートを行っているブルーマイルゥーの中井良紀様にお話をお伺いしました。散骨の種類や手続きだけでなく、散骨をされる際の注意点まで丁寧に解説いただいていますので、散骨をご検討されている方々はどうぞ参考になさってください。 >>ブルーマイルゥー様のホームページはこちら 古来から続く「散骨」という供養方法 -散骨とはどのような供養方法なのでしょうか?- 散骨とは、文字どおり「火葬骨を散らす」葬法の一つで、お墓などへは納骨せず、海や山などの自然に遺骨を還す葬送法です。 ひと昔前までは、人は死ぬと火葬され墓地に埋葬されるのが当たり前と考えられていました。しかし高度経済成長期を経て、大都市への人口集中、核家族化、少子高齢化、個人化などの様々な社会的課題を背景に血縁や家制度などの価値観も変化し「お墓に入りたくない」「お墓は必要ない」という考えから、「散骨」という墓地への埋葬以外の方法が注目されるようになりました。 しかし、散骨という方法は近年突然現れたわけでなく、古くは奈良時代には遺灰を撒く習慣があったといわれており、万葉集にも散骨について描写した歌があるようで、かなり以前から散骨というものは行われていたようです。一般的ではありませんでしたが、ごく一部の人は散骨をしていたことがうかがわれます。日本において公式に行われた散骨は、1991年に「葬送の自由をすすめる会」が相模灘で行った海への散骨でした。 大自然に還る散骨の種類 -散骨にはどのような種類がありますか?- 散骨は、海外では比較的ポピュラーな葬送法ですが、大自然に還るというイメージもあり、近年は日本でもご希望なさる方が増えてきています。大きくは以下の種類の散骨があります。 海洋散骨 国内で主流になっているのは海への散骨です。船舶にて、ある程度沖へ出て遺灰を撒くというものです。 山(陸地)への散骨 陸地での散骨は近隣住民とのトラブルになることが多く、決められた場所でないと散骨できません。土地には所有者がいますので、国有地・私有地ともに勝手に撒くことは出来ません。条例で禁止している自治体もありますので注意が必要です。 空からの散骨 小型航空機やヘリコプターから遺灰を撒きます。また、遺骨を入れたバルーンを地上から打ち上げる(高度約30�qのところで破裂して気流に乗り散らばります)方法もあります。 宇宙葬 カプセルに入った遺骨をロケットで宇宙空間へ打ち上げます。その後遺骨は大気圏に突入時に燃え尽きます。 海外での散骨 海外での散骨も可能です。しかし、それぞれ国によって法律や規制が異なりますので、可能な国、不可な国があります。ですので、希望する国の法律・規制を事前によく調べる必要があります。海外での実績がある業者に依頼するのが無難です。 散骨には以上の種類があります。ちなみに、最近注目される「樹木葬」(墓石の代わりに樹木や花を植えるもの)という埋葬方法があります。こちらも散骨に似ていますが、分類上は「墓地」の一種となります。 散骨の法的解釈について -散骨は法律的に問題はないのですか?- 散骨が法律に触れるのかどうかという問題があります。前述の、1991年に「葬送の自由を進める会」が行った海での散骨の際に、法務省は海洋散骨などの自然葬に関し刑法190条で規定する遺骨遺棄罪との関係について「葬送のための祭祀で、節度を持って行われる限り問題はない」と述べており、また厚生省(現厚生労働省)も墓埋法との関係について「自然葬を禁じる条文ではない」と述べています。 こうした見解により、これまで違法と考えられていた散骨は死者を弔う祭祀として相当の節度を持って行うならば違法ではないという解釈が定着しています。 >>「散骨に関わってくる法律とは?」の記事はこちら 散骨で発生する費用の相場 -散骨の費用の相場はいくらぐらいなのでしょうか?- 業者に依頼する場合の費用の目安です。なお、業者への支払いのほかに、船等の発着場所までの旅費なども考えておく必要があります。...
【散骨とは?】海洋散骨のブルーマイルゥー様にお伺いしました
新しい供養のかたちとして、選択肢のひとつとなりつつある「散骨」。価値観や生活環境の移り変わりにともない、注目を集めることも増えてきた散骨ですが、その詳細まで把握できている方はけっして多くないことと思います。 今回の記事では、瀬戸内海の海洋散骨を中心にサポートを行っているブルーマイルゥーの中井良紀様にお話をお伺いしました。散骨の種類や手続きだけでなく、散骨をされる際の注意点まで丁寧に解説いただいていますので、散骨をご検討されている方々はどうぞ参考になさってください。 >>ブルーマイルゥー様のホームページはこちら 古来から続く「散骨」という供養方法 -散骨とはどのような供養方法なのでしょうか?- 散骨とは、文字どおり「火葬骨を散らす」葬法の一つで、お墓などへは納骨せず、海や山などの自然に遺骨を還す葬送法です。 ひと昔前までは、人は死ぬと火葬され墓地に埋葬されるのが当たり前と考えられていました。しかし高度経済成長期を経て、大都市への人口集中、核家族化、少子高齢化、個人化などの様々な社会的課題を背景に血縁や家制度などの価値観も変化し「お墓に入りたくない」「お墓は必要ない」という考えから、「散骨」という墓地への埋葬以外の方法が注目されるようになりました。 しかし、散骨という方法は近年突然現れたわけでなく、古くは奈良時代には遺灰を撒く習慣があったといわれており、万葉集にも散骨について描写した歌があるようで、かなり以前から散骨というものは行われていたようです。一般的ではありませんでしたが、ごく一部の人は散骨をしていたことがうかがわれます。日本において公式に行われた散骨は、1991年に「葬送の自由をすすめる会」が相模灘で行った海への散骨でした。 大自然に還る散骨の種類 -散骨にはどのような種類がありますか?- 散骨は、海外では比較的ポピュラーな葬送法ですが、大自然に還るというイメージもあり、近年は日本でもご希望なさる方が増えてきています。大きくは以下の種類の散骨があります。 海洋散骨 国内で主流になっているのは海への散骨です。船舶にて、ある程度沖へ出て遺灰を撒くというものです。 山(陸地)への散骨 陸地での散骨は近隣住民とのトラブルになることが多く、決められた場所でないと散骨できません。土地には所有者がいますので、国有地・私有地ともに勝手に撒くことは出来ません。条例で禁止している自治体もありますので注意が必要です。 空からの散骨 小型航空機やヘリコプターから遺灰を撒きます。また、遺骨を入れたバルーンを地上から打ち上げる(高度約30�qのところで破裂して気流に乗り散らばります)方法もあります。 宇宙葬 カプセルに入った遺骨をロケットで宇宙空間へ打ち上げます。その後遺骨は大気圏に突入時に燃え尽きます。 海外での散骨 海外での散骨も可能です。しかし、それぞれ国によって法律や規制が異なりますので、可能な国、不可な国があります。ですので、希望する国の法律・規制を事前によく調べる必要があります。海外での実績がある業者に依頼するのが無難です。 散骨には以上の種類があります。ちなみに、最近注目される「樹木葬」(墓石の代わりに樹木や花を植えるもの)という埋葬方法があります。こちらも散骨に似ていますが、分類上は「墓地」の一種となります。 散骨の法的解釈について -散骨は法律的に問題はないのですか?- 散骨が法律に触れるのかどうかという問題があります。前述の、1991年に「葬送の自由を進める会」が行った海での散骨の際に、法務省は海洋散骨などの自然葬に関し刑法190条で規定する遺骨遺棄罪との関係について「葬送のための祭祀で、節度を持って行われる限り問題はない」と述べており、また厚生省(現厚生労働省)も墓埋法との関係について「自然葬を禁じる条文ではない」と述べています。 こうした見解により、これまで違法と考えられていた散骨は死者を弔う祭祀として相当の節度を持って行うならば違法ではないという解釈が定着しています。 >>「散骨に関わってくる法律とは?」の記事はこちら 散骨で発生する費用の相場 -散骨の費用の相場はいくらぐらいなのでしょうか?- 業者に依頼する場合の費用の目安です。なお、業者への支払いのほかに、船等の発着場所までの旅費なども考えておく必要があります。...
遺灰のあつかいにはご注意を
火葬場に残された遺灰はどうなるか、ご存知でしょうか? 告別式がすんだら出棺されて火葬場へ向かいます。いよいよ最後のお別れです。棺は同行したご遺族に見守られて釜に送り込まれ、1時間ほど後には骨上げの儀式となります。ここでは、足の方から頭に向かって拾う、喉仏の骨は喪主が拾う、といった決まりごとがあります。 これがすんだら、参列者は火葬場を後にして帰途につくわけですが、残された遺灰はどうなるのでしょうか? 「遺灰のその後」について 地方によって異なりますが、ほとんどの場合は、あらためて供養されたのちに供養塔に収められることになります。その供養塔も遺灰でいっぱいになると埋設されることが多いようです。当然のことながら、遺灰が一般ゴミや産業廃棄物として捨てられることはありません。 「墓を持たない」という選択肢 さて、この遺灰ですが、現在ではその扱いも多様化して様々な供養の形となって表れています。以前、オーストラリアの地で亡くなったお父様を散骨されたご遺族の例をご紹介しましたように、お墓を持たないという風潮が広まっている中で、遺骨ペンダントや手元供養とともに、遺灰を散骨したいというご要望も増えてきています。 洋画から読みとれる海外の供養形態 また、映画の話題になりますが、高倉健さんの「あなたへ」のような最近作ではなく、今回は20年以上前の「ファミリービジネス」というアメリカ映画のことです。ニューヨークで親子3代にわたって泥棒稼業にいそしむ犯罪一家のお話で、ショーン・コネリー(父親)×ダスティン・ホフマン(息子)×マシュー・ブロデリック(孫)といったキャストからも分かるとおり、どちらかというと犯罪よりは家族の血のつながりに重点を置いたドラマでした。 この映画はビルの屋上に置かれた白い粉が風に乗って散っていくというシーンから始まります。説明もなく、「これは一体何だ?」という感じだったのですが、終盤で遺灰を散骨していたことが明らかになります。未見の方のためにも詳しい説明は控えますが、アイルランド人の家族の物語でもあったので、その国の風習なのかなとも思い、当時はえらく新鮮に思えたものでした。 日本で遺灰を撒く際は、許可を得てから 散骨は、今の日本で自由に行うことはできません(もしかしたら当時のアメリカでも違法だったかも知れませんが)。遺灰を撒くことは、自治体ごとに条例等で規制されていることが多く、場所によっては土地の所有者に許可を得ることも必要です。 今や葬儀や供養は遺族が自由にでき、その形も様々になりましたが、遺灰の散骨についてはやはりそうはいきません。遺灰とはいえ「かつて生きていた人の体の一部」を撒くわけですから、あくまでも念入りに準備をしたいものです。
遺灰のあつかいにはご注意を
火葬場に残された遺灰はどうなるか、ご存知でしょうか? 告別式がすんだら出棺されて火葬場へ向かいます。いよいよ最後のお別れです。棺は同行したご遺族に見守られて釜に送り込まれ、1時間ほど後には骨上げの儀式となります。ここでは、足の方から頭に向かって拾う、喉仏の骨は喪主が拾う、といった決まりごとがあります。 これがすんだら、参列者は火葬場を後にして帰途につくわけですが、残された遺灰はどうなるのでしょうか? 「遺灰のその後」について 地方によって異なりますが、ほとんどの場合は、あらためて供養されたのちに供養塔に収められることになります。その供養塔も遺灰でいっぱいになると埋設されることが多いようです。当然のことながら、遺灰が一般ゴミや産業廃棄物として捨てられることはありません。 「墓を持たない」という選択肢 さて、この遺灰ですが、現在ではその扱いも多様化して様々な供養の形となって表れています。以前、オーストラリアの地で亡くなったお父様を散骨されたご遺族の例をご紹介しましたように、お墓を持たないという風潮が広まっている中で、遺骨ペンダントや手元供養とともに、遺灰を散骨したいというご要望も増えてきています。 洋画から読みとれる海外の供養形態 また、映画の話題になりますが、高倉健さんの「あなたへ」のような最近作ではなく、今回は20年以上前の「ファミリービジネス」というアメリカ映画のことです。ニューヨークで親子3代にわたって泥棒稼業にいそしむ犯罪一家のお話で、ショーン・コネリー(父親)×ダスティン・ホフマン(息子)×マシュー・ブロデリック(孫)といったキャストからも分かるとおり、どちらかというと犯罪よりは家族の血のつながりに重点を置いたドラマでした。 この映画はビルの屋上に置かれた白い粉が風に乗って散っていくというシーンから始まります。説明もなく、「これは一体何だ?」という感じだったのですが、終盤で遺灰を散骨していたことが明らかになります。未見の方のためにも詳しい説明は控えますが、アイルランド人の家族の物語でもあったので、その国の風習なのかなとも思い、当時はえらく新鮮に思えたものでした。 日本で遺灰を撒く際は、許可を得てから 散骨は、今の日本で自由に行うことはできません(もしかしたら当時のアメリカでも違法だったかも知れませんが)。遺灰を撒くことは、自治体ごとに条例等で規制されていることが多く、場所によっては土地の所有者に許可を得ることも必要です。 今や葬儀や供養は遺族が自由にでき、その形も様々になりましたが、遺灰の散骨についてはやはりそうはいきません。遺灰とはいえ「かつて生きていた人の体の一部」を撒くわけですから、あくまでも念入りに準備をしたいものです。
海外生活とお墓
さて、今日は海外にいる知り合いのお話です。 彼女が当社のホームページを見てくださってご連絡いただくようになり、 それがきっかけで時々メール交換するようになりました。 お父さんのお墓を残して、オーストラリアへ移住した彼女は、 お父さんのお骨を日本に置いておくのか、オーストラリアへ埋葬するのか、 いろいろ悩んでおられるようです。 見知らぬ土地に埋葬されたらお父さんは、幸せではないのではないか、 日本で永代供養という方法もあるが・・・ あなたならどうされますか? お家の事情もありますし、これがいいという解決策をもってはいませんが、 海外にとどまらず、国内でも遠い田舎のお墓をどうするか? 跡継ぎがいなくなったらどうするか? お墓の悩みは結構お聞きします。 「お墓は3代続けばよい」とお聞きしたこともあります。 その後は『無縁墓』となってしまうのでしょうね。 散骨のお手伝いをさせていただいた方の中に、 遠い田舎のお墓のお骨を全て散骨された方がおられます。 ご自分がお墓を守る立場の方ですが、長女で子どもさんはなく、 姉妹はみな嫁いでいる、自分がなくなったらお墓は無縁となってしまう。 それはあまりにかわいそうだと思われたIさんは、 思い切ってお墓を霊園に返して、お骨を全て持ち帰られました。 そして、ご姉妹がそろって散骨されました。 一番最近に亡くなったお父さんのお骨、 ずっと以前に亡くなったお母さんのお骨、 ・・・身近な方たちの散骨をいっぺんにすることになって、 胸がいっぱいに。涙が止まりません。 後日メールをいただきました。 散骨のお写真をお送りした日が、 お父さんのご命日と重なったということで、 『縁』を感じてくださったようです。...
海外生活とお墓
さて、今日は海外にいる知り合いのお話です。 彼女が当社のホームページを見てくださってご連絡いただくようになり、 それがきっかけで時々メール交換するようになりました。 お父さんのお墓を残して、オーストラリアへ移住した彼女は、 お父さんのお骨を日本に置いておくのか、オーストラリアへ埋葬するのか、 いろいろ悩んでおられるようです。 見知らぬ土地に埋葬されたらお父さんは、幸せではないのではないか、 日本で永代供養という方法もあるが・・・ あなたならどうされますか? お家の事情もありますし、これがいいという解決策をもってはいませんが、 海外にとどまらず、国内でも遠い田舎のお墓をどうするか? 跡継ぎがいなくなったらどうするか? お墓の悩みは結構お聞きします。 「お墓は3代続けばよい」とお聞きしたこともあります。 その後は『無縁墓』となってしまうのでしょうね。 散骨のお手伝いをさせていただいた方の中に、 遠い田舎のお墓のお骨を全て散骨された方がおられます。 ご自分がお墓を守る立場の方ですが、長女で子どもさんはなく、 姉妹はみな嫁いでいる、自分がなくなったらお墓は無縁となってしまう。 それはあまりにかわいそうだと思われたIさんは、 思い切ってお墓を霊園に返して、お骨を全て持ち帰られました。 そして、ご姉妹がそろって散骨されました。 一番最近に亡くなったお父さんのお骨、 ずっと以前に亡くなったお母さんのお骨、 ・・・身近な方たちの散骨をいっぺんにすることになって、 胸がいっぱいに。涙が止まりません。 後日メールをいただきました。 散骨のお写真をお送りした日が、 お父さんのご命日と重なったということで、 『縁』を感じてくださったようです。...
映画「あなたへ」観ましたー妻の散骨
高倉健主演の映画「あなたへ」を観ました。 亡くなった妻から届いた絵手紙。 「故郷の海に散骨してほしい」という妻の思いを初めて知って 「何で生前に言ってくれなかったのか・・・」と 妻が元気になったら一緒に旅行しようと 自分で改造したワンボックスカーを完成させて 富山から長崎県平戸の漁港まで旅をします。 回想シーンあり、新しい出会いあり、 夫婦の話であり、家族の話でもあり、老いの話でもありました。 後部座席を取り払って手作りの木の椅子とテーブルを設置し 妻との約束の一輪挿しを置く場所を作って、花を活けます。 ところどころに散りばめられたシーンは心に残りました。 映画『あなたへ』公式サイト 散骨では、漁協に協力を求めますが、断られます。 漁師さんは海を神聖視しているので、散骨は嫌がられることが多いですね。 大滝秀治扮する一人の漁師が協力してくれることになります。 実際には、当日、船をチャーターするのは絶対に無理ですので、 散骨ご希望の場合は、ぜひ専門の業者にご依頼されるのがよろしいと思います。 また、映画では骨つぼから直接手でお骨を取り出して、散骨されていましたが、 ご遺骨は映画のような状態ではありませんから、 ぜひ散骨用に粉末化されることをお勧めいたします。 海洋散骨はお天気に左右されます。 映画の散骨は夕日の美しい静かな海でした。 こんな思い出に残る散骨ができるといいですね。 この映画の影響で散骨をご希望される方が増えるかもしれませんが、 あまり簡単に考えてしまうことのないように、 散骨の方法・時期などについてよく検討していただければと思います。 主演の高倉健さんは久しぶりに映画で拝見しました。 今回の設定の53歳の妻を亡くした夫としては年齢的につらかったです。 妻に先立たれた夫は夫に先立たれた妻より、グリーフワークに時間がかかるみたいでし、...
映画「あなたへ」観ましたー妻の散骨
高倉健主演の映画「あなたへ」を観ました。 亡くなった妻から届いた絵手紙。 「故郷の海に散骨してほしい」という妻の思いを初めて知って 「何で生前に言ってくれなかったのか・・・」と 妻が元気になったら一緒に旅行しようと 自分で改造したワンボックスカーを完成させて 富山から長崎県平戸の漁港まで旅をします。 回想シーンあり、新しい出会いあり、 夫婦の話であり、家族の話でもあり、老いの話でもありました。 後部座席を取り払って手作りの木の椅子とテーブルを設置し 妻との約束の一輪挿しを置く場所を作って、花を活けます。 ところどころに散りばめられたシーンは心に残りました。 映画『あなたへ』公式サイト 散骨では、漁協に協力を求めますが、断られます。 漁師さんは海を神聖視しているので、散骨は嫌がられることが多いですね。 大滝秀治扮する一人の漁師が協力してくれることになります。 実際には、当日、船をチャーターするのは絶対に無理ですので、 散骨ご希望の場合は、ぜひ専門の業者にご依頼されるのがよろしいと思います。 また、映画では骨つぼから直接手でお骨を取り出して、散骨されていましたが、 ご遺骨は映画のような状態ではありませんから、 ぜひ散骨用に粉末化されることをお勧めいたします。 海洋散骨はお天気に左右されます。 映画の散骨は夕日の美しい静かな海でした。 こんな思い出に残る散骨ができるといいですね。 この映画の影響で散骨をご希望される方が増えるかもしれませんが、 あまり簡単に考えてしまうことのないように、 散骨の方法・時期などについてよく検討していただければと思います。 主演の高倉健さんは久しぶりに映画で拝見しました。 今回の設定の53歳の妻を亡くした夫としては年齢的につらかったです。 妻に先立たれた夫は夫に先立たれた妻より、グリーフワークに時間がかかるみたいでし、...
散骨の季節到来~ご夫婦で同じ海に眠る
蝉しぐれがうるさい夏になりました。 夏だ!海だ!ビールが美味い!なんていうCMがあったでしょうか? 夏は散骨のシーズンです。 海での散骨は天候に左右されます。 冬は西風が強くなるので、散骨に適した季節は関西では、 4月〜11月初めくらいまででしょうか。 ですから、天候にも恵まれ、お休みも取りやすい夏は散骨のシーズンです。 先週、10年前にご主人様の散骨をした海に今年亡くなった奥様の散骨を行いました。 満州から引き上げてきた港、帰ってきた日本を初めて見た地、 舞鶴でご主人様の散骨をしたいと10年前にご依頼をいただきました。 大正9年生まれの奥様も引揚者だそうです。 和服をリフォームしたというエンジ色のコートがよく似合う可愛らしいおばあちゃまでした。 おばあちゃまと呼ぶのが似合う方でした。 満州でのお話、引き上げのお話、色々お聞きして、引き上げ記念館にもご一緒しました。 散骨後、「私も死んだらお願いしますね」とおっしゃていましたが、 それが事実になるとは・・・ でも、光栄なことです。 散骨後もおばあちゃまはお礼にとお菓子を送ってくださいました。 私からもお返しを送ったり、年賀状は毎年下さいました。 あるときは、劇団四季の「異国の丘」(シベリア抑留がテーマ)のチケットをお送りしたりしました。 おばあちゃまは私の中では、お客様ではなく、親戚のおばあちゃんのようになっていました。 そのおばあちゃまもしばらくすると老人施設に移られたようで、一昨年からは年賀状が届かなくなりました。 どうされているのかと思いながらも、ご連絡することもなく2年が過ぎた今年、 おばあちゃまの後見人という方から散骨のご依頼がありました。 お二人に子どもさんはなく、二人で舞鶴の海に眠るのが願いとおっしゃっていました。 91歳になったおばあちゃまは最後までお化粧をするオシャレな方だったそうです。 散骨当日は心配した雨も上がり、大阪湾は風が強かったのですが、舞鶴港は穏やかで無事に散骨を行うことができました。 ご主人様のご遺骨をミニ骨壷「黒に金の葉」に少し取っておかれていましたが、 そのお骨と一緒におばあちゃまは海に還っていきました。 これからは、ずっと一緒ですね。...
散骨の季節到来~ご夫婦で同じ海に眠る
蝉しぐれがうるさい夏になりました。 夏だ!海だ!ビールが美味い!なんていうCMがあったでしょうか? 夏は散骨のシーズンです。 海での散骨は天候に左右されます。 冬は西風が強くなるので、散骨に適した季節は関西では、 4月〜11月初めくらいまででしょうか。 ですから、天候にも恵まれ、お休みも取りやすい夏は散骨のシーズンです。 先週、10年前にご主人様の散骨をした海に今年亡くなった奥様の散骨を行いました。 満州から引き上げてきた港、帰ってきた日本を初めて見た地、 舞鶴でご主人様の散骨をしたいと10年前にご依頼をいただきました。 大正9年生まれの奥様も引揚者だそうです。 和服をリフォームしたというエンジ色のコートがよく似合う可愛らしいおばあちゃまでした。 おばあちゃまと呼ぶのが似合う方でした。 満州でのお話、引き上げのお話、色々お聞きして、引き上げ記念館にもご一緒しました。 散骨後、「私も死んだらお願いしますね」とおっしゃていましたが、 それが事実になるとは・・・ でも、光栄なことです。 散骨後もおばあちゃまはお礼にとお菓子を送ってくださいました。 私からもお返しを送ったり、年賀状は毎年下さいました。 あるときは、劇団四季の「異国の丘」(シベリア抑留がテーマ)のチケットをお送りしたりしました。 おばあちゃまは私の中では、お客様ではなく、親戚のおばあちゃんのようになっていました。 そのおばあちゃまもしばらくすると老人施設に移られたようで、一昨年からは年賀状が届かなくなりました。 どうされているのかと思いながらも、ご連絡することもなく2年が過ぎた今年、 おばあちゃまの後見人という方から散骨のご依頼がありました。 お二人に子どもさんはなく、二人で舞鶴の海に眠るのが願いとおっしゃっていました。 91歳になったおばあちゃまは最後までお化粧をするオシャレな方だったそうです。 散骨当日は心配した雨も上がり、大阪湾は風が強かったのですが、舞鶴港は穏やかで無事に散骨を行うことができました。 ご主人様のご遺骨をミニ骨壷「黒に金の葉」に少し取っておかれていましたが、 そのお骨と一緒におばあちゃまは海に還っていきました。 これからは、ずっと一緒ですね。...