粉骨。
文字どおり「骨(遺骨)を粉にすること」ですが、実はいつも「粉」にするわけではありません。
最近は故人のご遺志で散骨を選ばれるケースも増えています。散骨には、その前に粉骨しなければなりません。 私どもではそのようなご要望にもお応えできるよう、ご遺骨を粉末化する「粉骨サービス」もご提供しています。
ご遺骨をどうするか?
さて、最初からそのように決めていればよいのですが、いったん納骨をしたものの、やむにやまれぬ事情からお墓じまいをご決断されることがよくあります。
その場合に問題となるのがご遺骨をどうするのかということです。
(余談ですが、長年にわたって骨壷に納められていたお骨にはそれなりの汚れが付着してしまっています。そのために「お骨洗い」としてきれいに洗浄することが必要となります。)
別のお墓に移す、あるいは新しくお墓を建立するということならよいのでしょうが、
それ以外となると選択肢は限られてきます。
納骨堂にお納めするというのもひとつの方法です。
しかしながら、
「お墓は持てない、けれどもご遺骨と縁遠くなることはしたくない」 というようなご相談もよくいただきます。 私どもではそれに対するひとつのご提案として遺骨ペンダントやミニ骨壷などをご案内し、ご好評をもって迎えていただいていますが、いずれにせよお骨を納めるものが小さくなりますので粉骨をすることになります。
「粉骨」の意味
そこで最初のお話にもどるのですが、ここで行う粉骨とは、必ずしも「粉」状にするとは限らず、「粉々に砕かれた状態」つまり粉よりも少し粗い状態をご想像いただくとよいかと思います。
その数ミリ程度に粉骨されたご遺骨が、たとえば遺骨ペンダントなどに納められることになります。
ペンダントの中身は、1グラムにも満たない、言ってみれば吹けば飛ぶようなごくごく小さなお骨ではありますが、それは身につける方の想いによってこの世の何よりも大きくて重いものになります。
ところで・・・
こころみに「粉骨」という言葉を辞書(インターネットですが)で引いてみたところ 「(骨を粉にする意から)力の限り努力すること。」
とだけあります。(Yahoo!辞書) ほかの辞書でも同様です、これ以外のことは書かれていません。
本来の言葉としての定義はそういうことなのでしょうが、私たちのお仕事ではもちろんのこと、世間一般で見ても「粉骨」といえば、まず頭に浮かぶのは遺骨についてのことではないでしょうか。
ちょっとおもしろいと思いました。 (ちなみに次に来るのは四字熟語で「粉骨砕身」ですね)