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ペットの海洋散骨はできる?方法・費用・注意点を解説

ペットの海洋散骨はできる?方法・費用・注意点を解説
手元供養の未来創想

著者紹介

手元供養の未来創想 編集部

手元供養専門店|創業2000年

手元供養の専門店として25年。遺骨の供養に関するさまざまなご相談をいただくなかで、ペットの散骨についてのお問い合わせもいただきます。その経験をもとに、ペットの海洋散骨について詳しくお伝えします。

「ペットも海洋散骨できるのか?」結論から申し上げると、できます。ただし、人の散骨とは根拠になる法律がまったく違いますし、火葬を予約する段階でもう選択が決まってしまうという、見落とされやすいポイントがあります。この違いを知らないまま火葬を依頼してしまうと、後から選び直すことはできません。

この記事では、ペットの散骨がなぜ合法とされているのか、火葬のプラン選びで何が決まってしまうのか、そして全部撒く前に考えておきたいことを、順番に整理していきます。


そもそも、ペットの散骨に法律は関係あるのか

人の海洋散骨だと、刑法190条の遺骨遺棄罪が引き合いに出されることが多いです。しかし、この条文の「遺骨」は人の遺骨を指すというのが法律解釈の前提になっています。ペットの遺骨は、最初からこの条文の対象外です。人の散骨とペットの散骨は、似ているようで、拠って立つ法律がそもそも違うのです。

もうひとつ絡んでくるのが廃棄物処理法です。飼っていたペットの死体は、原則として一般廃棄物として扱われます。ただし環境省は「動物霊園事業に係る廃棄物の定義等について」という通知のなかで、動物霊園事業として弔いの意思をもって扱われる動物の死体は、廃棄物処理法上の廃棄物にはあたらないという見解を示しています。弔いとして扱われる限り、ごみとしては扱われない、ということです。

ペットの散骨を直接規制する法律は、今のところ存在しません。人の葬祭業には墓地埋葬法という共通の枠組みがありますが、ペットの火葬・霊園事業にはこれに相当する全国統一の許可制度がないのです。自治体ごとに条例で届出を求めているところがある程度で、業界としての横並びのルールは薄いのが実情です。


火葬のプランを間違えると、散骨自体ができなくなる

特に注意したいのが、火葬のプラン選びです。ペットの火葬には「合同火葬」と「個別火葬」があり、個別火葬はさらに、飼い主が立ち会って収骨する「立会個別火葬」と、収骨まで施設に任せる「一任個別火葬」に分かれます。

合同火葬を選ぶと、遺骨は他のペットの遺骨と混ざって合祀墓に納められます。あとから「やっぱり一部だけでも」と思っても、もう取り出せません。散骨という選択肢そのものが消えてしまいます。

自治体の引き取りサービスは費用が安く済みます。ただ、その多くが合同火葬にあたり、遺骨は戻ってきません。散骨や手元供養を少しでも考えているなら、民間の火葬業者で個別火葬を選んでおく必要があります。この判断は、火葬を申し込む段階でしかできません。火葬が終わってからでは遅いのです。


散骨の方法は3つ、費用感はこれくらい

火葬が終わり遺骨が手元にある状態になったら、次は散骨の方法を選びます。委託、合同、チャーターの3つです。

委託(代行)散骨は、飼い主が乗船せず業者に任せる方法です。ペット単体なら1万円台〜3万円程度が相場で、粉骨料が込みかどうかで総額が変わります。飼い主自身の散骨に合わせてペットの遺骨を追加する形をとる業者も多く、その場合は数千円〜1万円台の粉骨料が上乗せされる程度で済むこともあります。

合同散骨は、他の家族と船に乗り合わせる方法です。ペット単体の合同プランを持つ業者もあれば、人の合同散骨とあわせてペットも見送れる業者もあります。

チャーター(個別)散骨は、船を貸し切って家族だけで見送る方法です。費用は10万円〜30万円程度。ご家族の散骨に合わせて、一緒に暮らしたペットも同じ船で見送りたいという希望を叶えられるのは、このプランだけです。

方法 費用目安 立ち会い
委託散骨(ペット単体) 1万〜3万円程度 なし
人の散骨に追加 数千円〜1万円台(粉骨料) 人の散骨プランに準じる
チャーター散骨 10万〜30万円程度 あり(家族のみ)

粉骨と、六価クロムのこと

撒く前に、遺骨は1〜2mm程度まで粉骨します。形が残ったまま撒くと、拾った人が驚きますし、通報される可能性すらあります。マナーというより、トラブルを避けるための現実的な対策です。

粉骨の話でよく出てくるのが六価クロムです。火葬炉のステンレス製の架台が800〜1,200℃にさらされることで、クロム成分が酸化して遺骨に付着することがある物質です。これは人の火葬でもペットの火葬でも起こりうる、同じ仕組みの話で、種による違いはありません。水に溶けやすいため、環境基準(0.05mg/L以下)を超える場合は無害化してから散骨するのが望ましいとされています。ただしすべての遺骨に含まれているわけではなく、検査して初めてわかるものです。気になるなら、粉骨を頼むときに検査・無害化に対応しているか聞いてみてください。


業者選びで気をつけたいこと

人の葬祭業には墓地埋葬法という共通ルールがあります。ペットの火葬・散骨業には、それに相当する全国統一の許可制度がありません。届出だけで開業できる地域が多く、事業者によって管理体制や対応の丁寧さに差が出やすいというのが実情です。個別火葬を選んだつもりが、実際の管理体制まで確認できていなかった、ということにならないよう、業者選びは慎重に行いたいところです。

確認すべきことはシンプルです。個別火葬・散骨の実績はあるか。他のペットの遺骨と混同しない管理をしているか。散骨後に写真や証明書を発行してくれるか。立ち会えない委託・一任のプランでは、これがほぼ唯一の安心材料になります。口頭でなく、書面かメールで残しておくといいでしょう。

散骨する海域も、海水浴場や養殖場、船の航路の近くは避けるのが原則です。海に所有者はいませんが、どこに撒いてもいいわけではありません。自治体によっては独自のガイドラインで海域を定めている場合もあります。


全部撒く前に

人の海洋散骨と同じように、ペットの散骨でも「全部海に還してから、手元に何も残らないことに寂しさを感じた」という声が聞かれます。散骨は取り消せません。決める前に、少し時間を取っていいのです。

全部撒くか、全部残すかの二択である必要はありません。ごく一部だけ分けて残す、という選び方もあります。ミニ骨壺遺骨ペンダントは、ペットのご遺骨の分骨にもお使いいただけます。個別火葬で遺骨を受け取ったあとなら、この判断はいつでもできます。


よくある質問

ペットの散骨は違法にならないか。刑法190条はペットの遺骨には適用されないとされ、動物霊園事業として弔いの意思で扱われる遺骨は廃棄物にもあたらないという環境省の見解があります。節度とマナーを守れば、法律上の問題はないと考えられています。

合同火葬にしてしまったが、後から散骨できるか。できません。他のペットの遺骨と混ざって合祀された時点で、個別に取り出す手段はなくなります。

亡くなったペットをそのまま散骨できるか。できません。個別火葬したうえで、1〜2mm程度に粉骨してからになります。

家族の散骨とペットの散骨を一緒にできるか。できます。多くの業者が、家族の散骨に合わせてペットの遺骨も見送れるプランを用意しています。

一部だけ手元に残せるか。残せます。個別火葬で遺骨を受け取った後なら、すべて散骨する前提でも、ごく一部をミニ骨壺やペンダントに分けておけます。


まとめ

ペットの海洋散骨は、人の散骨とは別の法律的根拠で成り立っています。刑法190条の対象外であること、動物霊園事業としての弔いなら廃棄物にあたらないという環境省の見解があること。ここまでは、知っていれば済む話です。

問題は、散骨できるかどうかが火葬の段階でもう決まってしまうことです。合同火葬を選べば、それで終わってしまいます。散骨を少しでも考えているなら、まず個別火葬を選ぶこと。そのうえで、全部撒くかどうかは、慌てて決めなくてかまいません。

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