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墓じまいの遺骨は散骨できる?改葬許可・費用・流れを解説

墓じまいの遺骨は散骨できる?改葬許可・費用・流れを解説
手元供養の未来創想

著者紹介

手元供養の未来創想 編集部

手元供養専門店|創業2000年

手元供養の専門店として25年、ご遺骨のクリーニング・粉骨・海洋散骨のご相談を受けてきました。近年は「墓じまいで出た遺骨を散骨したい」というお問い合わせも増えており、その実務経験をもとに手続きと費用の実際をお伝えします。

墓じまいでお墓から取り出した遺骨は、散骨することができます。先に結論をお伝えすると、散骨は墓地埋葬法上の「改葬」には当たらないため、法律上は改葬許可証を取得する義務がありません。

とはいえ実際に手続きを進めると、現在の墓地の管理者から改葬許可証の提示を求められる場面に出会うことも少なくありません。散骨する場所についても「どこにでも自由に撒いてよい」わけではなく、別の制約があります。

この記事では、法律上の整理から始めて、散骨する場所の注意点、実際の窓口対応、墓じまいから散骨までの流れ、費用の目安、そして親族との間で先に済ませておきたいことまで、順番にお伝えします。

散骨が「改葬」に当たらない理由

改葬とは、墓地埋葬法第2条第3項の言葉を借りると「埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すこと」です。つまり、遺骨を別のお墓や納骨堂へあらためて納める場合を指します。

散骨は遺骨を粉末状にして海や山へ撒く行為であり、どこか別の墳墓や納骨堂に納め直すわけではないため、条文上の改葬には該当しません。この点は、自宅に置いて手元供養とする場合も同じです。

この整理は、当店だけの解釈ではありません。東京都保健医療局が公表している「散骨に関する留意事項」でも、他のお墓や納骨堂に移す場合は区市町村による改葬許可が必要になる一方、散骨のために取り出す場合の取り扱いは区市町村により異なると案内されており、必要な手続きは各自治体に確認するよう促しています。

つまり都自身も「不要」と明言しているわけではなく、判断を市区町村に委ねているのが実情です。統一的な答えがない以上、思い込みで進めず窓口で確認しておくことが大切です(自治体ごとの対応の違いは、次の章で詳しく説明します)。

改葬と墓じまいの違いそのものについては、「改葬っていったい何?墓じまいとは違うの?」でも整理していますので、あわせてご覧ください。

散骨する場所にも守るべき条件がある

改葬に当たらないからといって、散骨が無条件に自由な行為というわけではありません。刑法190条は遺骨の損壊・遺棄・領得を罰する規定です。原形をとどめた遺骨をそのまま撒く行為は、これに触れるおそれがあります。

1991年に相模灘での散骨をめぐって法務省が、葬送を目的とし節度をもって行われる限り遺骨遺棄罪には当たらないとの見解を示したと伝えられており、これが散骨が事実上認められてきた出発点とされています。この「節度をもって」の中身が、遺骨とわからない程度まで粉骨すること、周辺で漁業や観光に関わる方々への配慮を欠かさないことです。

海洋散骨で撒く海域についても、法律による距離規制はありません。ただし、海洋散骨協会など業界団体の自主基準や一部自治体の条例で、陸地から一定の距離を離れた海域に限るという目安が示されています(距離の基準は団体・自治体によって異なります)。

山や私有地でない土地への散骨も同様で、土地の所有者や自治体の同意がなければ行えませんし、散骨そのものを条例で規制している市区町村も一部にあります。海洋散骨の法的な位置づけと注意点については、「海洋散骨は違法?日本の法律・ガイドライン・必要な許可を解説」で詳しく整理しています。

なお、2021年3月には厚生労働科学特別研究事業の報告書として「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」が厚生労働省のサイトに掲載されました。厚労省自身が定めた規則ではなく、あくまで研究事業の成果を参考資料として公開したものです。

遺骨は視認できない程度まで粉状に砕くことが望ましいとされていますが、具体的なミリ数までは定めていません。実務で目安とされる1〜2mm程度という数値は、事業者側の運用基準です。このガイドラインには他にも、法令の遵守、散骨を行う場所、関係者や自然環境への配慮といった、事業者が守るべき考え方が示されています。

事業者を選ぶ際は、この内容に沿った運用をしているかどうかが一つの目安になります。

実務では改葬許可証を求められることがある

条文上は不要とされていても、現在の墓地の管理者、とりわけ寺院墓地の場合、散骨という選択肢を前提とした運用に慣れていないことがあります。「遺骨をお渡しする以上、改葬許可証がなければ困る」と言われるケースも実際にあり、こうした場面で法律論を持ち出して押し通そうとするより、改葬許可申請を済ませておいたほうが話が早く進みます。

改葬許可証は、現在のお墓がある市区町村役場で発行してもらいます。申請には、墓地の管理者が発行する埋蔵証明書(自治体によっては埋葬証明書と呼ばれることもあります)が必要です。それに加えて、通常は移動先からの受入証明書も求められます。ところが散骨には遺骨を受け入れる施設がありません。この受入証明書を用意しようがない、という壁にぶつかるわけです。

この壁への対応は自治体によって分かれ、大きく三つのパターンがあります。

改葬許可申請書の「改葬先」欄に「自宅」(手元供養として一時的に持ち帰る旨)を記載し、受入証明書を不要とする自治体。散骨を行う事業者が発行する引受けの証明書を、受入証明書の代わりとして認める自治体。そして東京都府中市のように「散骨や自宅への引き取りであれば、そもそも改葬の手続き自体が不要」と明言している自治体です。どの扱いになるかは、現在のお墓がある市区町村の窓口に直接確認するのが確実です。

改葬の手続きが不要とされる場合でも、現在の墓地の管理者から「遺骨引渡証明書」(自治体によって呼び方は異なります)を発行してもらっておくと、後々の選択肢が広がります。これは、別のお墓や納骨堂に納める必要が後から生じたときに、遺骨が正当な手続きで取り出されたことを示す書類として使えるためです。

府中市のホームページでも、自宅引き取りの際にこの証明書の取得を勧めています。埋蔵証明書を依頼するのと同じタイミングで、あわせて発行を依頼しておくとよいでしょう。

一方、現在の墓地の管理者が埋蔵証明書そのものの発行に応じてくれない場合は、また別の問題です。これは自治体との手続きではなく、管理者との信頼関係の話になるため、まずは現在の墓地の管理者に、散骨を予定していることと遺骨の引き渡し方法をどうすればよいかを、早い段階で率直に伝えておくことが、後々の行き違いを避ける一番の近道です。

墓じまいから散骨までの流れ

具体的な流れを整理すると、次のようになります。

まず、現在のお墓の管理者に墓じまいの意向を伝え、散骨を予定していることもあわせて説明します。ここで埋蔵証明書(埋葬証明書と呼ばれることもあります)と、あわせて遺骨引渡証明書の発行を依頼しておきます。寺院墓地の場合は、この段階で離檀についても話しておくと二度手間になりません。

管理者とのやり取りの中で改葬許可証が必要だとわかった場合は、市区町村役場で改葬許可申請を行います。自治体によって扱いが分かれる点は先ほど触れた通りです。必要書類や要否を窓口で確認したうえで、埋蔵証明書と申請書一式を提出し、許可証の交付を受けます。即日発行の自治体もあれば、2週間ほどかかる自治体もあります。

許可証(または管理者からの了承)の準備が整ったら、閉眼供養(魂抜き)を行ったうえで、墓石を解体・撤去する工事に入ります。この工程で、お墓の中から遺骨が取り出されます。何代分もの遺骨が一緒に納められていた場合、思っていたより数が多いことに驚く方も少なくありません。

取り出された遺骨は、長期間お墓に納められていたことで、汚れや変色、カビが出ていることがよくあります。海洋散骨を行うには遺骨とわからない程度まで粉骨する必要があり、当店では2mm以下を目安にしています。状態が気になる場合は、クリーニングを行ったうえで粉骨する流れが一般的です。この工程については、「ご遺骨、このあとどうする?自宅保管から手元供養・散骨まで完全ガイド」でも詳しく紹介しています。

最後に、粉骨した遺骨を海へ撒く散骨を行います。海洋散骨の具体的な流れやプランは、「海洋散骨とは?費用・流れ・メリットとデメリットまで完全ガイド」で解説しています。

墓じまいと散骨、費用の目安

墓じまいと散骨を合わせた場合、大きく分けて三つの費用がかかります。ひとつは墓石の解体・撤去にかかる工事費用、ふたつめは閉眼供養や離檀料といった寺院へのお礼、みっつめは遺骨のクリーニング・粉骨・散骨そのものの費用です。行政手続きにかかる費用は数百円程度とわずかです。

墓石の解体・撤去費用は1㎡あたり10万円〜15万円程度が目安とされ、区画の広さや立地(重機が入れない山間部かどうかなど)によって変動します。閉眼供養のお布施は3万円〜10万円程度、離檀料は3万円〜20万円程度が相場です。ただし離檀料に法的な支払い義務はなく、金額はお寺との相談次第です。ここまでは石材店や寺院に支払う世間相場で、次の表にある遺骨サービスは当店の税込価格になります。

墓じまい側の費用(世間相場)
項目 費用の目安
墓石の解体・撤去費用 1㎡あたり10万円〜15万円程度
閉眼供養(魂抜き)のお布施 3万円〜10万円程度
離檀料 3万円〜20万円程度(法的義務なし)
改葬許可証の発行手数料 数百円程度(自治体・柱数による)
遺骨のクリーニング・粉骨・散骨(当店価格・税込)
項目 価格
遺骨のクリーニング 27,500円〜31,900円(骨壺サイズによる)
遺骨の粉骨・パウダー化 11,000円〜23,100円(骨壺サイズによる)
海洋散骨(代行散骨) 88,000円
海洋散骨(チャーター散骨) 253,000円

当店の海洋散骨プランごとの内訳や追加費用が発生しやすいポイントについては、「海洋散骨の費用・料金相場|プラン別の目安と追加でかかる費用」で詳しくご紹介しています。

一例として、2㎡程度のお墓を寺院墓地で墓じまいし、代行散骨を選んだ場合を計算してみます。墓石の解体・撤去費用が1㎡10万円で計算して20万円、閉眼供養のお布施が5万円、離檀料が10万円、改葬許可証の発行手数料が数百円、クリーニングが27,500円、粉骨が11,000円、代行散骨が88,000円だとすると、合計はおよそ47万7千円になります。区画が広い、離檀料が上振れする、チャーター散骨を選ぶ、といった条件が重なると総額は100万円前後まで上がることもあり、上記はあくまで一例です。

散骨まで済ませる場合、新しく墓地や永代供養墓を用意する費用がかからない分、改葬先に一般墓や永代供養墓を選ぶケースに比べて総額を抑えやすい面もあります。とはいえ墓石の規模や寺院との関係によって金額の幅は大きいため、上記はあくまで目安としてご覧ください。墓じまい全体の費用構造については「墓じまいの費用」もあわせてご参照ください。

散骨する前に、親族の同意を取っておく

手続き面の話とは別に、もっとも避けたいのは親族間のトラブルです。散骨は一度撒いてしまうと、遺骨を元の形に戻すことはできません。

墓じまい自体は自分の判断で進められても、そこに眠っていたご遺骨をどう供養するかについては、他の親族が異なる考えを持っていることも珍しくなく、「知らないうちに散骨されていた」という形の行き違いは実際によく起こるトラブルです。散骨を決める前に、少なくとも近しい親族には計画を伝え、了承を得ておいたほうが、後々の関係を考えると賢明です。

「全部を手放すのは気が引けるが、故人の希望だった散骨も叶えたい」という場合は、散骨の前にご遺骨の一部だけを取り分ける分骨という方法があります。分骨した分は、ミニ骨壺や遺骨ペンダントなどの手元供養品として残せます。

将来、分骨した分を別のお墓や納骨堂に納める可能性が少しでもあるなら、分骨証明書は墓石を撤去して離檀した後では発行を頼みにくくなるため、埋蔵証明書を依頼するのと同じタイミングで、管理者にあわせて発行してもらっておくことが重要です。また、粉末状にした遺骨は受け入れを断る墓地・納骨堂もあるため、将来の納骨を考えている分は粉骨せず原形のまま分骨しておくと、選択肢を狭めずに済みます(散骨のみで完結させる場合はこの限りではありません)。

気をつけておきたいこと

  • 複数の業者から見積もりを取る――離檀料や墓石撤去の費用は、寺院や石材店との関係にも関わります。複数の業者から話を聞いたうえで判断すると、納得感を持って進めやすくなります。
  • 遺骨が複数柱ある場合は柱数を事前に伝える――改葬許可証も柱数分必要になることがあるため、事前に自治体の窓口で確認しておくと二度手間になりません。
  • 散骨の実施日には余裕を持たせる――海洋散骨は天候や海況に左右されます。墓石の撤去工事の日程と散骨の実施日を無理に近づけすぎると、天候不良で予定が崩れた際に調整が難しくなります。特に冬場は日程が前後しやすいので、余裕を持ったスケジュールを組んでおくと後から慌てずに済みます。

よくあるご質問

Q. 墓じまいで取り出した遺骨は散骨できますか?

A. できます。散骨自体は墓地埋葬法上の「埋蔵」に当たらず、お墓から取り出した遺骨を散骨に回す行為も「改葬」(他の墳墓・納骨堂へ移すこと)の定義には該当しません。ただし、海洋散骨を行うには遺骨とわからない程度まで粉骨する必要があり(当店では2mm以下を目安にしています)、撒く場所についても陸地からの距離の目安や条例による制限があります。

Q. 改葬許可証は本当に不要なのですか?

A. 条文の定義上は、散骨に回す場合は「改葬」に該当しないため改葬許可証は不要という整理になります。ただし、実際の取り扱いは区市町村によって異なり、現在の墓地の管理者が散骨という選択肢を想定していないために許可証の提示を求めてくることもあります。事前に管理者と自治体の窓口へ散骨の意向を伝え、対応を確認しておくと手続きがスムーズです。

Q. 離檀料は必ず払わなければいけませんか?

A. 離檀料に法的な支払い義務はありません。ただし、長年供養を任せてきたお寺との関係もあるため、感謝の意味を込めて支払うのが一般的です。金額や要否については、事前にお寺へ率直に相談しておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。相場を大きく超える金額を求められるなど納得できない場合は、地域の消費生活センターに相談する方法もあります。

Q. 墓じまいと散骨を合わせると、費用はどのくらいになりますか?

A. お墓の規模や地域、寺院の考え方によって幅がありますが、墓石の解体・撤去費用(1㎡あたり10万円〜15万円程度)、閉眼供養のお布施(3万円〜10万円程度)、離檀料(3万円〜20万円程度、寺院による)に、遺骨のクリーニング・粉骨・散骨の費用を合わせると、標準的なケースで40万円台〜60万円程度、区画が広い場合や離檀料が高額な場合、チャーター散骨を選ぶ場合には100万円前後になることもあります。

まとめ

墓じまいで取り出した遺骨は、条文上「改葬」に当たらないため、散骨そのものに許可は必要ありません。ただし、墓地の管理者や自治体との実務的なやり取りの中では、改葬許可証や埋蔵証明書の準備を求められる場面もあります。

墓石の撤去や離檀といった墓じまい側の手続きと、クリーニング・粉骨・散骨という一連の流れ、そして親族への事前の相談を踏まえたうえで、まずは現在の墓地の管理者へ率直に相談するところから始めてみてください。

この記事について

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  • 2000年、日本で初めて遺骨を納めるペンダント「カロート®ペンダント」を製造販売(カロート®は未来創想の登録商標)
  • 創業25年以上にわたり、ご遺族からの手元供養に関するご相談に対応
  • 遺骨ペンダント・ミニ骨壷・ミニ仏壇など、国内有数の手元供養品ラインアップを展開

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