お墓に遺骨がいっぱいで、新たに骨壷を納めるスペースがない…。先祖代々お墓を受け継いでいるご家庭などから、こんなお悩みがときおり訊かれます。どうすればよいか、対処法についてまとめてみました。
お墓に遺骨が増えてしまったときの対処法
「お墓が遺骨でいっぱいになったら、新しいお墓を建てなくてはならないのでしょうか?」そうお悩みになる方がいらっしゃいますが、必ずしもその必要はありません。
新しくお墓を建てると莫大な費用がかかりますし、複数のお墓を管理することになるので、負担はさらに増えるばかりです。
ここからは、もっと現実的に問題を解決できる、2つの対処法をご紹介します。
遺骨を土に還す
地域やお墓のタイプによっては、カロート(お墓の中で骨壷を納める部分)の底が直接地面の土になっています。
一般的にこうしたお墓で行われるのは、古い遺骨を骨壷から出し、カロートの土の上に直接広げてあげること。土に埋める場合もあります。
カロートの底がコンクリートでも、中央に小さく土のスペースが開けてあるお墓も。そのようなお墓では、遺骨を小さくして土のスペースへ入れます。
遺骨はお墓の中にありますが、骨壷が無くなる分スペースが空き、広げた遺骨はいずれ分解されて土へと還っていきます。このような形をとれば、何代にもわたってお墓を使用していただくことが可能です。
遺骨を粉骨する
カロートの底部がすべてコンクリートのお墓の場合は、遺骨を土には還せません。しかし、遺骨を細かく砕いてかさを減らすという方法があります。
それが“粉骨”です。 遺骨を砕くのに抵抗を感じるかもしれませんが、粉骨は手元供養や散骨などの際にも行われている方法。
そもそも、お骨拾いの場でも骨壷に入りやすいよう遺骨を砕きますから、宗教的にも法律的にも何も問題はありません。また、古い遺骨は自然に崩れる場合もあります。
粉骨した後、複数の遺骨を1つの骨壷にまとめれば、新たな遺骨を納めるスペースを確保できます。
古い遺骨を対処するタイミング
お墓がいっぱいになってきたら、古い遺骨から土に還すなどの対処を行います。弔い上げといわれる三十三回忌を終えた遺骨や、亡くなって50年を過ぎた遺骨を対象にするとよいでしょう。
要らなくなった骨壷は?
いずれの方法をとっても、いくつかの古い骨壷が不要になります。空の骨壷は、単なる“容れもの”ですので、自治体の決まりに従って処分してもかまいません。
どうしても心情的に難しいという場合には、一部の葬儀社などで請け負ってくれることもありますので、依頼するとよいでしょう。
個性豊かなミニ骨壷で温もりを
遺骨を土地に還すとき、または粉骨してまとめるときに、お一人分ずつの遺骨を一部とりわけて、それぞれ小さな骨壷に移し替えるのもおすすめです。
現在の“ミニ骨壷”は、素材や大きさもさまざまで、多彩なデザインのものが登場しています。
エレガントで美しいタイプ、やさしく愛らしいタイプ、スタイリッシュなタイプなど、故人お一人お一人のイメージや個性に合わせて選べば、より故人の面影を感じていただけるでしょう。
お墓の中のご先祖様や亡くなった方々にも、ご家族の温もりをお伝えいただけるかと思います。
お墓にも納められる個性あふれたミニ骨壷10選
お墓の中でもお仏壇でもスペースをとらない、小さな骨壷。小さいとはいえ、遺骨の大敵の湿気を寄せ付けない工夫がされた骨壷ばかりです。
ミニ骨壷 | グランブルーシリーズ
両手ですっぽり包み込んでしまえるほどのグランブルーシリーズは、落ち着いた色目とシルクロードや壁画を感じさせるデザインが特徴。
供物として欠かせないお花のデザインはもちろん、魂を極楽浄土へ連れて行くとされる蝶や鳥のデザインも。
おしゃれな骨壷ながら、金属(真ちゅう)製でネジ式のフタで湿気から遺骨を守ります。
卵形、ボトル型、壷型の3種類の形にそれぞれ2つずつのデザイン。計6種類のデザインがあり、一人一人の個性に合わせて選べます。
ミニ骨壷 | Tholos(トロス)
妖精が住むような、小さな土のおうちの「トロス」。土の温もりを感じさせるシンプルな形と模様は、どことなく昔のお墓である古墳を連想させるデザインです。
収縮性が違うため、プロでも重ねて焼くのは難しいという陶土。それを見事に重ねてモダンで落ち着いた骨壷に仕上がっています。
土が水分を吸収し、中の湿度を一定に保つ陶器は、“呼吸をする”といわれ、茶壷や砂糖壷にも使われるほど。湿気から遺骨を守るよう、しっかりと考えられた作りです。
金属でできたネジ式のフタが着いており、専用の骨袋に入れた遺骨を納められるようになっています。
ミニ骨壷 | シンプルクラシック
なんとなくふっくらとした人を思わせるフォルムの持ち運べるミニ骨壷に、落ち着いた大人っぽいカラーが加わりました。
コロンとしたフォルムの骨壷は、1本の真ちゅうの棒をくり抜いて作られる形。高度な技を持つ職人のみが製造でき、フタがピタリと閉まります。
また、真ちゅうもやや肉厚のため、衝撃を受けて倒れても、割れたりフタが開いて、遺骨がこぼれることはありません。
湿気を寄せ付けず持ち運ぶのにぴったりな構造は、地震の衝撃などが不安なお墓の中に納めるのにも向いています。
かわいい色のパステルシリーズと合わせると、計7種類のカラーがありますので、お墓の遺骨を整理するときにもぴったりです。
>ミニ骨壷「シンプルクラシック」ミスティゴールドの商品詳細はこちら
喉仏が納められるミニ骨壷 | いおりIori
遺骨の中で、“これがあればいい”といわれる喉仏。仏様が座禅を組み、手を合わせたような形で、大事な首にあるため昔から大切に扱われてきました。
関西ではお墓に入れる遺骨とは別に、喉仏だけを小さな壷に入れて本山へ納骨する習慣があります。
それと同じように「喉仏だけを置いておきたい」、「形を崩したくない」という方にぴったりのミニ骨壷が、「いおり」。
シンプルな円柱形で骨壷の口が広く、喉仏や遺髪などが入れやすいだけでなく、遺骨を大事に納めるための小さなクロスと布袋も付属しています。
故人のイメージに合わせられる4種のカラーがあり、お値段も手頃。お墓が遺骨でいっぱいになり、小さい骨壷に移し替えたいときなどにも使えます。
ミニ骨壷| 七宝シリーズ
仏教で極楽浄土の荘厳さを表す、七宝。七宝の輝きや力が、厄災から身を守ってくれると考えられています。
その七宝のように、きららかで美しいことから名付けられたといわれるのが七宝焼き。故人が極楽浄土で過ごせるのを願って遺骨を納めるのに、これ以上ない骨壷と言えるでしょう。
大ぶりに花が描かれた華やかなアイリスとローズ、正倉院御物の模様のように品のよい梨花・青花・メヌエット。仏様への供物として欠かせない花が美しく描かれ、それぞれが美術品のようです。
少量の遺骨を改めて納骨するときに使うと、寂しいお墓の中が華やかに彩られることでしょう。
ミニ骨壷|パステル
先にご紹介したシンプルクラシックと同じ形状のミニ骨壷に、パステルカラーを合わせたかわいらしいシリーズ。コロンとしたパステルカラーのミニ骨壷は、まるでマカロンを思わせるような彩りの全4色です。
かわいらしい見た目の一方で、シンプルクラシックと同様にしっかりとした作りになっているので、お墓に置いてもご自宅で手元供養をしても、ご遺骨をしっかりと守ってくれます。
お地蔵さんのようにも見えるフォルムは、ご自宅においてもほっこりと癒やしを与えてくれることでしょう。
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ミニ骨壷|パールブレッシング
フェミニンな魅力を感じさせてくれるのは、パールのような光沢が美しいミニ骨壷「パールブレッシング」。お墓に置いても手元供養をしても場所を取らない、幅5cm・高さ8cmほどの、コンパクトなサイズ感です。
手のひらサイズのミニ骨壷は、ご旅行や法要等に持ち運べるのも大きなメリット。一つ一つ手作業で作られたクラシックモダンなデザインは、どこに持参しても場の雰囲気を壊さない、凛とした上品な佇まいが魅力です。
清らかなホワイトカラーのほかに、パープル・ブラウン・ブラックのカラーバリエーションがあり、故人のイメージに合わせてお選びいただけます。
>ミニ骨壷「パールブレッシング」ホワイトS(真ちゅう製)の商品詳細はこちら
ミニ骨壷|ピュアシリーズ・モンシロチョウ
こちらも上品なパール調の光沢が魅力の「ピュアシリーズ」。極楽浄土へ導くとされる“蝶”をモチーフにしたミニ骨壷です。
底面にネジ式のフタがあり、そこからご遺骨を入れる設計。一見骨壷には見えない、まるでインテリアオブジェのようなデザインは、手元供養の骨壷としてもぴったりです。
故人の魂が蝶に乗って、今も家の中を自由に行き来しているような、そんな想像も膨らませてくれそう。
ピュアシリーズはモンシロチョウのほかに、シェル・パールポットと異なるデザインがあります。
専用でご用意している日付やお名前の刻印ができる円形のステージに飾ると、より特別感を感じていただけることでしょう。
>ミニ骨壷「ピュアシリーズ」モンシロチョウ(真ちゅう製)の商品詳細はこちら
ご遺骨を持ち歩く ミニ骨壷|ホスタHosta
離れがたい大切な方のご遺骨を、肌身離さず持ち歩きたいという方もいらっしゃるかもしれません。そんな方におすすめのミニ骨壷が、ポケットやカバンに入るミニサイズの骨壷「ホスタ」です。
こだわったのは、表面に施した滑りにくいホーニング加工と、優しい光沢を作りだすメッキ加工。ギュっと握りしめたときのその感触は、程よい重さとともに不思議な安らぎを感じさせてくれます。
カラーはゴールドのほかに、ピンクゴールド・シルバーといったバリエーション。香水の瓶をイメージさせるようなフォルムに煌めくスワロフスキーが埋め込まれていて、小さくても特別感がいっぱいに感じられます。
>ご遺骨を持ち歩く ミニ骨壷「ホスタHosta」ゴールド(真ちゅう製・スワロフスキー)の商品詳細はこちら
ミニ骨壷|蕾・艶シリーズ
ミニ骨壷は、通常のシンプルな骨壷と比べると、形も趣深いデザインが多いのが特徴。この「蕾(つぼみ)・艶シリーズ」は、両手で包みこんだときに収まりのよい、蕾の形をした磁器製のミニ骨壷です。
こだわりの外観もさることながら、骨壷の内部には「加賀金箔」が職人の手仕事により丁寧に張られていて、細部に渡り特別感がいっぱいの仕上がりです。
涼やかな青磁のほかに、神聖なホワイトカラーが印象的な白鳳、心を落ち着かせてくれるような深いブルーの瑠璃など、3つのカラーバリエーションがあります。
きゅっと結ばれた蕾の中に宿る故人の魂が、いつかまた花のようにふわりと開き生まれ変わっていくような、そんな希望も感じさせてくれるミニ骨壷です。
>ミニ骨壷「蕾・艶シリーズ」青磁(豊泉窯・磁器製)の商品詳細はこちら
いつかはいっぱいになるお墓
新しく建立されたばかりのお墓で、今はカロートに十分な余裕があっても、いつか必ずいっぱいになってしまうもの。
次の世代に安心してお墓を継いでもらうために、お墓がいっぱいになったら遺骨をどうするか、家族で相談しておくとよいでしょう。
いっぱいになった遺骨は、今に命をつないでくれた証。大切にご供養したいものです。手元供養の未来創想は、お墓やご遺骨のお悩みについて、さまざまなご提案を通して皆様のお力になりたいと願っております。